問題詳情

請依下文回答第 8 題至第 13 題: もともと経済活動は、人間を飢えや病苦や長時間労働から解放するためのものであった。経済が発展すればするほど、ゆとりある福祉社会が実現されるはずのものであった。 それなのに、日本は金持ちになればなるほど、逆である。人びとはさらに追い立てられ(先進国で最も長い労働時間)、子どもは偏差値で選別され(世界中の子どもを取材している絵本作家ビヤネール多美子さんは「日本の子どもほど自己決定権を奪われたかわいそうな子はいない」と言う)、自然はなおも破壊されていく。 効率を競う社会の制度は、個人の行動と、連鎖的に反応しあっているから、やがては生活も教育も福祉も、経済価値を求める効率社会の歯車に巻きこまれるようになる。競争は人間を利己的にし、一方が利己的になれば、他の者も自分を守るために利己的にならざるを得ないから、万人は万人の敵となり、自分を守る力はカネだけになる。 そんな社会では、人間の能力は、経済価値をふやすか否か、で判定され、同じように社会のために働いている人であっても、経済価値に貢献しない人は認められることが少ない。 ある財界人は、「日本は企業の優劣を、利潤の大小によって序列づけしてしまい、たとえ( 11 )というような独特な社風を持つ企業があっても、利益が大きくなければ、評価されない」と嘆いていた。 そんな日本で、福祉のために献身的に働く人を高く評価するわけがない。その仕事が、どんなに社会的に必要なものであっても、経済価値に無縁な老人や身体障害者や精神障害者のために働く人への社会的評価は、きわめて低い。福祉事務所で、保護を必要とする人たちのために親身になって働く職員よりも、生活保護を申請する困窮者を( 12 )として追いはらう職員の方が有能と評価される。それはつまり、経済価値にとってマイナスである社会保障に対して、財政支出を抑制するのが( 13 )だ、という考えに立っているからである。
8 自己決定権を奪われたは具体的にどういう意味か。
(A)数値が高校や大学への進路を決定する。
(B)親の希望で高校や大学への進路を決定する。
(C)高校や大学への入学が厳しく、望みがかなえられることが少ない。
(D)入学者の決定は、高校や大学に任されていて、本人の希望はかなえられない。

參考答案

答案:A
難度:適中0.5
統計:A(0),B(0),C(0),D(0),E(0)

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